2019年07月19日

「びーぐる」44号、刊行!

 「びーぐる」44号が出ました。今号の特集タイトルは「散文詩 理論と実践」。
 論考と実作及びアンケートからなっています。
 僕も実作で参加しています。散文詩を書いたのは久し振り。勘が戻らず苦戦しました。タイトルは「海のポスト」。御一読を。
 連載「セピア色のノートから」の11回目は「『漠』から『さよなら』へ @藤富保男・富岡多恵子」と題して、当時影響を受けた二人の詩人について書いています。
 さらに今回から神尾和寿さんと共詩を始めました。松下さんのときとは勝手が違い、こちらもそれなりに苦戦しました。飛躍の度合いが大きく、なめらかさに欠けるきらいがありますが、これはこれで別のおもしろさがあるようにも思えます。さて、どうでしょうか。読者の反応が気になるところです。

 ところで今回、一部の本に乱丁がありました。55ページと56ページにおいて天地が逆になっています。もしそのような乱丁本を受け取られた方は、発行所の澪標までご連絡ください。「速やかに対応させていただきます」とのことです。

 今号の詳細は山田兼士さんのホームページ(44号の目次)をご覧下さい。
 http://yamadakenji.la.coocan.jp/1beagle.htm
 定価1,000円(税込み)。発行所「澪標」。
 入手方法
 澪標に電話(06-6944-0869)またはメール(matsumura@miotsukushi.co.jp)で注文。

びーぐる44号表紙.jpg

posted by 高階杞一 at 13:37| Comment(0) | びーぐる

2019年07月15日

「本の雑誌」−「高階杞一の10冊」

 「本の雑誌」8月号において、翻訳家の金原瑞人さんが「高階杞一の10冊」と題して拙作を紹介してくださっています。
 これまでに出した単行詩集は16冊(選詩集と復刊はのぞく)。なので3分の2の選出。
 全4ページの短い分量の中でコンパクトにそれぞれの詩集の特徴が述べられています。最後に紹介されている詩は自分でも好きな「雨」。この時期にふさわしい選択でもあります。
 書店で見かけられたら、どうぞ御一読を。

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「本の雑誌」2019.8月号10冊のページ.jpg

posted by 高階杞一 at 10:50| Comment(0) |

2019年07月12日

中ムラサトコ映像作品「とびこえて」

 拙作にいくつも曲を付けて歌ってくださっている中ムラサトコさんが、今回また拙作「とびこえて」に曲を付け、それを映像作品としてユーチューブに公開されました。
 「昨年の夏、愛媛では集中豪雨で大変な被害が出て、私の友人や友人の家族、家、仕事など、沢山のものがなくなりました。そんな折、高階さんの詩「とびこえて」を読み、どうしても歌いたい気持ちになり、友人たちと一緒に演奏しました。」とのこと。
 「とびこえて」は、雨上がりの道をこどもたちが歩いて行く様子を描いた作品ですが、これは東日本大震災が起こったあと作った作品で、被害からの復興を願う気持を込めています。中ムラさんはちゃんと作品の真意を読み取ってくださったようです。
 とても素晴らしい作品になっています。ぜひご覧ください。

  https://www.youtube.com/watch?v=0TM0f2x9yq4&fbclid=IwAR1mn2b_DGeVIGhBWN2zeRIapSeKinE-jAcAzdnHCNqu4jOgommN1kwr96U

     とびこえて

  長く降りつづいた雨がやみ
  水たまりに
  今朝は
  青空が映っています
  
  両側に田んぼの広がる道を
  こどもたちが
  はしゃぎながら
  歩いています
  
  約束はみんな
  雨で
  流れてしまったけれど
  ひさしぶりに晴れたうれしさに
  
  こどもたちは歩いていきます
  水たまりを
  いくつも いくつも
  とびこえて
        (『いつか別れの日のために』より)

posted by 高階杞一 at 10:22| Comment(0) |

2019年07月10日

『空から帽子が降ってくる』書評(3)

 山形新聞に書評を書いてくださった久野雅幸さんがご自分のホームページでさらに詳細に本書を論じてくださっています。新聞の限られた字数の中では書き切れなかったことを「かなりの時間と労力を費やし」書き上げたという労作。久野さんの本書に対する熱い思いが伝わってきます。
「本詩集の詩の「せつなさ」は、“「行く」(行こうとする)ことのせつなさ”から生じている、と言ってよいのではないだろうか。」という具合に、「行く」という言葉をキーワードに読み解こうとしているのは独自の視点であり、卓見だと思えます。御一読を。

 https://siwokakutoiukoto.net/sisyuuwoyonde2019.html

 なお、ここでは詩集名が『共詩 空から帽子が降ってくる』と、「共詩」が頭に付いていますが、これが本書の正式名です。

 もうひとつ、神戸新聞で細見和之さんが短評を書いてくれています。こちらを併せて御一読を。

神戸新聞(細見和之)2019.6.20 (409x800).jpg

(神戸新聞 2019.6.20 朝刊 画像をクリックすると、拡大してご覧いただけます)

posted by 高階杞一 at 11:35| Comment(0) | 日記

2019年07月08日

由良佐知子さん、逝去

 神戸在住の詩人、由良佐知子さんが亡くなった。ガーネット同人の神尾和寿から連絡を受けて初めて知った。5月7日に亡くなられたとのこと。由良さんはガーネット24号からの購読会員で、数えれば21年も本誌を愛読してくださっていたことになる。
 去年の夏に出た第3詩集『遠い手』を取り出し、あとがきを見て驚いた。その冒頭に、「末期癌の告知を受け落ちこんでいるとき」と書いてあるではないか。頂いたとき読んでいるはずなのに、全く気に留めていなかった。自分が何度も癌になっているので、「癌」という言葉に鈍感になっていたのかもしれない。
 「1944年 大阪生まれ」と奥付にあるので、今年75歳。ご冥福を祈りつつ、ガーネット86号の「詩集から」に掲載した詩をここに再掲したい。

朱夏の山懐に石段を下る
冷ややかな湿地の気配
椎の木下闇(このしたやみ)を映す浅い池に出る
里芋に似る葉の浮かぶ水面から
抜け出る長い茎は
黄色い花を一輪つけている
これが河骨
泥の中の根茎は
どこまで延びているのか
さまよう八月の骨のように

日暮れを待つ山に
ひぐらしの声
人に還る
        (『遠い手』より「河骨(こうほね)」全)

posted by 高階杞一 at 11:36| Comment(0) |