2016年03月28日

妻は夫の詩を読まない

 昨日は梅田の北新地で飲み会がありました。メンバーは家人と、家人が某企業に勤めていた時の知人Mさん、そしてMさんの知人で詩人の船田崇さんの4人。Mさんから家人に、僕と船田さんを引き合わせたいというお誘いが以前からあり、昨日それが実現したという次第です。
 船田さんとは初対面ですが、話しているうちに以前、仕事の依頼を受けたことがあると分かってびっくり。船田さんは某新聞社にお勤めで、依頼時はその傘下の週刊誌の編集部におられて、そこで2度ほど拙作を掲載したいとの依頼を受けたのでした。船田崇というのはペンネームで、依頼を受けた時は本名だったので、まったく分からずにいたのでした。
 その2度の掲載のうち、1度は今でもよく覚えています。というのも掲載がある事件によって延期になったからでした。掲載作は『早く家へ帰りたい』の中の「いない いない」という作品。ここには3つになったばかりの息子がダンボール箱に入って遊ぶ姿が描かれています。週刊誌では詩に合わせて、ダンボール箱を頭からかぶったこどものイラストが描かれています。ゲラを見せてもらい、いよいよ発行という直前になって、広島で幼い女の子が殺されダンボ-ル箱に遺棄されるという事件が起こったのでした。延期もやむを得ないことでした。
 ほかにもいろいろ話が出ましたが、ひとつ印象に残っているのは、妻は自分の詩を読まないと、船田さんが語っていたこと。これはほかの詩人からもよく聞く話です。自分が詩でも書いていなければ、夫の書く詩に関心がないのは当然と言えるかもしれません。そんな奥様が『早く家へ帰りたい』だけは最後まで読んで、読みながら泣いておられたとのこと。詩を普段読まない人にも、詩が届いたことが、何よりうれしいことでした。

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2016年03月26日

三好達治賞贈呈式

 昨日は第11回三好達治賞の贈呈式がありました。受賞者は谷川俊太郎さん。会場は大阪市中央公会堂。1918年(大正7年)に竣工し、今は国の重要文化財にも指定されている由緒ある建物です。その中集会室で1時半から1部と2部合わせて2時間ほど行われました。参加者は200人ほど。2部では山田兼士さんと谷川さんの対談があり、なかなか貴重な話も聞けました。
 式の後の懇親会では、乾杯のあと、谷川さんは退席されました。長丁場の式だったのでお疲れだったようです。ここでスピーチを頼まれていたのですが、ご本人がいることを前提にした話を考えていたので、大半はちょん切り、谷川さんと岸田衿子さんの結婚生活での修羅場の話などをしました。ご本人がいたら了解を取ってから話すつもりだったのですが、いないことだし、まあいいかと。この内容については、びーぐる14号で谷川さんにインタビューした時の記事になっていますので、興味のある方はそちらをご覧ください。
 懇親会のあと、2次会をしようと8人ぐらいで居酒屋を探していたのですが、どこも満席で入れず。よく考えれば3月末の金曜日。歓送迎会等いろんな行事が重なっている時期だったんですね。歩いているうちに山田さんの体調が不良になり、無理をせずそこで解散し、帰宅しました。

三好達治詩碑 (800x600).jpg

中央公会堂前 中之島公園内の三好達治詩碑

懇親会 (800x600).jpg

懇親会

 中央公会堂は縁のある場所です。15年ほど前、大規模な改修工事を行っている時、「大阪人」という月刊誌がその竣工を記念した特集をするということで、詩を依頼されました。その時、普段は一般の人が入れない特別室などを見せていただきました。天井に古事記などに書かれた神話が描かれており、それは荘厳で見事なものでした。その天井画をテーマに詩を書きました。詩集には未収録のものなので、ここに記します。

     柱
         中之島中央公会堂修復再公開に寄せて

どんな思いを
この柱は支えてきたのだろう
幾度もの戦いと
平和との繰り返しの中で
朽ちず 倒れず
神々のおおらかな歌を今も天井に響かせて
鳥は
東雲の空を行く
次の時代へ
ひたすら歌を届けるために

人はいつか朽ち
けれど その後も世界は続く

どんな柱が
今 僕を支えているのだろう
何千年か
あるいは何万年か後
この世から人のすっかり朽ち果ててしまった後
誰もいない野っ原で
一本の柱が
まっ青な空を指さして立っている姿を想う
その時初めて
鳥も空から降りてくる
歌いながら ゆっくりと 草むらへ
たとえば
幼い日の僕に似た顔で

中央公会堂 特別室2.jpg

中央公会堂 特別室1.jpg


 「大阪人」という雑誌は大阪市の外郭団体が出していたのですが、2011年に大阪市長に就任した橋下徹氏によって補助金をカットされ、2012年廃刊となりました。今回、このことを知り、惜しいことだと思われました。橋本氏にとっては文化的なことであれ、収支が合うかどうかが最優先事項のようです。

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2016年03月21日

ギックリ腰&同人誌爆読&訃報

 先々週の月曜日、ギックリ腰になったという話を書きました。症状は軽かったので、1週間ほどで痛みはなくなりました。やれやれと思っていたところ、先週の水曜日、再びギックリ腰になりました。リサイクルゴミのダンボ−ル箱を出そうと、ちょっとかがんで手を伸ばした時、腰ががくっと崩れるような感じになり、鋭い痛みが。あっ、と思った時には時遅し。今回はギックリ腰度(?)が高く、痛みはまだ続いています。今まで何度かなったことがあるけれど、こんなふうに続けてなるのは初めてです。先々週のギックリ腰がまだ完治していなかったのかもしれません。それにしても正月から帯状疱疹になったりギックリ腰になったりと、今年はどうもついていないようです。

 びーぐるの原稿を仕上げたあと、ずっと溜まっていた同人誌を読んでいました。4ヶ月ほど頂いたまま積んでおいたもので、高さにして70pほど。読むと言っても、パラパラとめくって気になったところだけを読むという流し読み。それでもすべてに目を通すのに4日ほどかかりました。この中で訃報にも出会ったり。
 「gui」というもう100号以上続いているユニークな同人誌があって、その発行人であった奥成達さんが去年の8月に亡くなっていたことを今回その誌で初めて知りました。奥成さんとは会ったことはないけれど、何度か手紙のやりとりをし、画家でもある奥様(ながたはるみさん)の画集を頂いたりしました。奥成さんは詩人・ジャズ批評家・漫画原作者・編集者・作詞家・トランペット奏者などさまざまな顔をもつ異才。遅まきながら哀悼の意を表します。

 昨日は春分。暑さ寒さも彼岸までと言うけれど、まだ朝晩は寒い日が続いています。でも桜前線は例年より早く北上し始めたようです。大阪でも24日が開花との予想。

posted by 高階杞一 at 12:18| Comment(0) |