2016年06月16日

梅雨の情景

 梅雨入りしてから1週間ほど。雨に降られるのはイヤだけど、雨に濡れたみどりの情景はきれいで、いいなあと思います。田植えも終わり、水田には小さな苗が並んでいます。日本の原風景と言われたりしますが、千年前、2千年前には見渡す限りの水田が広がっていたんだろうなと思うと、時間を越えて、そこに、それを眺めていた自分がいたように思えてきたりします。
 こんな時期の水田を詩に書いたことがあります。ふっと思い出したので掲載します。

         初夏

  郵便屋さんがくる
  山の上からゆっくりと
  夏をつれて下りてくる
  水を張った田んぼには
  白い雲が落ち
  みどりの苗が
  文字のように並んでる

  あれは
  誰への手紙だろう

     ゴメンネ 遅クナッテ

  と
  声がして

  遠い
  はるかな所から
  郵便屋さんがやってくる
  ぼくのポストへ
  一歩一歩
  夏といっしょにやってくる
            (『空への質問』より)

 びーぐるの「詩歌の植物」を昨日書き上げ、編集部に送りました。今回の題材は「蓮」。原稿用紙に換算して26枚。今までで1番か2番目ぐらいに長いものになりました。長いけれど、推理仕立てのような感じで書いたので、けっこうおもしろく読んでもらえるのではないかと思っています。乞う、ご期待。

posted by 高階杞一 at 12:02| Comment(0) |

2016年06月09日

柳波賞、募集

 第18回柳波賞の募集が始まりました。メールでの応募もできるので、皆さん、どしどし応募してください。
 応募方法等の詳細は次のサイトをご覧ください。
 http://www.city.numata.gunma.jp/kyouiku/shakai/1003937.html
 ちなみに去年の総応募数は1,415点。柳波賞を受賞したのは次の作品でした。

     もずよ
             金井 勉
  りんごの
  小枝の先に
  蛙の干物が ゆれている
  もずが忘れた はやにえか
  風が吹くたび
  ひかってる

  ごらんよ
  もうじき春だ
  りんごの蕾が うごきだす
  もずよ 急いで食べないと
  風に さらわれ
  なくなるぞ

  もずよ もうすぐ
  りんご畑は 花の波

 こちらは目下、びーぐるの原稿(詩歌の植物)執筆とガーネットの編集に追われています。まだ当分、忙しい日々が続きそうです。

posted by 高階杞一 at 10:49| Comment(0) |

2016年06月03日

本のお手紙

 先月は詩を5つ書いた。ガーネット次号の「歌のアルバム」5月から8月の4篇と、「びーぐる」次号特集用の詩1篇。これだけ書くのは最近では珍しい。そもそも「歌のアルバム」は4ヶ月分が1セットになっていて、それで1篇の詩とも言えるものだが、最初に書いた9月から12月に比べると、ひとつの流れで書くのが少しずつ困難になってきて、今回などは1篇1篇がほぼ独立した形になっている。心身の消耗もそのぶん大きくなった。
 こうした詩作とともに、先月は新しい詩集の準備もしていた。5月11日の日記にも書いた絵本的な詩集の見本作りで、写真の協力者とともに意見を交わしつつ、先月末には何とか4篇の詩についての見本が仕上がった。それを親交のある某児童出版社の編集者に送ったところ、かなりキビシイ感想が返ってきた。写真と詩を組み合わせて展開していくという手法そのものへの批判だった。「詩の自損」だとまでそこには書かれていて、ここ数日かなり落ち込んでいた。彼の言わんとするところは分かるが、1ヶ月以上協力者と共に苦労して作り上げてきたものが全否定され、まったく水泡に帰したという思いになった。
 さてどうしようかと、今、構成の練り直しを検討しているところです。いずれにしても写真と組み合わせた詩集にはしたいと思っています。

 こんなふうに落ち込んでいた中、救いのようなブログに出会いました。
 姫路の小さな本屋さんが、「本のお手紙」展と題して拙著を取り上げてくださっています。本にご主人の書いた手紙を添えて販売しようという企画です。本はハルキ文庫『高階杞一詩集』で、手紙の中には拙作のフレーズがさりげなくちりばめられています。

  http://ohisamayuubinsya.blog.fc2.com/blog-entry-2501.html

 手紙を読んでいると、それは今の自分に送られて来たもののようにも思えてきます。
 そして、こんなふうに自分の詩を大切に思ってくれている人がどこかにいると思うと、しぼみかけていた心も和んできます。

posted by 高階杞一 at 12:10| Comment(2) |