2016年06月22日

水の駅

 今朝、テレビを見ていたら、俳優の大杉漣が出ていて、劇作家で劇団「転形劇場」の主宰者であった太田省吾との思い出を語っていた。転形劇場と聞いてすぐさま「水の駅」のことが甦ってきた。初演が1981年というから30歳の時。舞台などほとんど観ることがなかったが、これは評判につられて観にいったのだと思う。そして、衝撃を受けた。セリフは一切なし。舞台装置も中央に立水栓がひとつあるだけだったような気がする。その周りで役者たちがスローモーションで動く。バックにはエリック・サティの「ジムノペディ」が流れていて、それがとても印象的だった。
 70年代から80年代初めにかけてはアングラ劇団が隆盛の時代で、転形劇場もそのひとつ。無言劇という実験は、当時の演劇人の誰もが影響を受けたサミュエル・ベケットの舞台に倣ったものだろう。この少し前にはH詩賞を受賞した荒川洋治の『水駅』(1976年)が出ている。ひょっとしたら太田省吾はこの詩集からもヒントを得ていたのではないかと思われてきたりもする。
 1981年と言えば、僕はその前年に第1詩集『漠』を出したばかりで、これを読んだ荒川さんから突然自宅に電話がかかってきたことをなつかしく思い出す。

 転形劇場 http://www.officej1.com/70avna_gard/drama15.htm
 
 「水の駅」  https://www.youtube.com/watch?v=rx6q8XxLIr8 
 (このサイトではサティの「ジムノペディ」が聴けます)

 「水の駅」の再演(太田省吾の演出とは違いますが、雰囲気はつかめると思います)
  https://www.youtube.com/watch?v=C3PHV4kxqbY
 
posted by 高階杞一 at 13:06| Comment(0) | 日記