2016年08月11日

五輪観戦の日々

 オリンピックが始まってからテレビ漬けになっています。一番よく見ているのは柔道とバレーボール。特に柔道は日本時間の午前3時頃までに準々決勝位まで行くので、毎日この時間まで起きて見ています。そして続きは翌朝、という繰り返し。そんなわけでこの1週間ほどは少々寝不足気味。
 今朝の柔道は男女ともに金メダル。いやあ、興奮しました。参加することに意義があると言ってもやはり勝ったらうれしい。選手たちの喜ぶ姿を見ていたら、こちらまでメダルのお裾分けをもらったようでうれしくなってきます。
 今回、日本の選手がカヌーで初めてメダルを取ったので、その競技の模様を見てみたが、何だかテーマパークの急流滑りのようでおもしろい。あの急な流れは人工的に作っているのかな?

 五輪三昧で仕事は少しもしていないようだけど、観戦の合間に少しはしています。「びーぐる」に連載してきた「詩歌の植物」は後1回で終わる予定。連載が終わったら1冊にまとめたいと思って、目下、発表順に手直しを行っています。取りかかる前は軽微な修正で済むと思っていたけれど、いざ始めると、直したいところがあれこれと出てきて、中には全面的に書き換えたものもあったりして、かなり時間がかかっています。この夏休み中に何とか終えることができたらいいのですが。発行は来年の春頃を目指しています。

posted by 高階杞一 at 12:39| Comment(0) | 日記

2016年08月04日

渥美清 没後20年

 今日は寅さんこと渥美清さんの命日。亡くなって20年とのことですが、もうそんなに経つんですね。まだつい昨日のことのように思えます。没後20年ということでNHK・BSではさまざまな特集番組を組んでいます。昨日はそのうちのひとつを見ました。番組名は「寅さん、何考えていたの?〜渥美清・心の旅路〜」。渥美さんの作った俳句を軸にして、人間・渥美清の心の風景を探ろうというのが番組のテーマです。「男はつらいよ」の出演者をはじめとして、生前付き合いのあった人たちがそれぞれ自分の好きな渥美さんの俳句を披露しています。

  http://www.nhk.or.jp/docudocu/program/3303/2225444/index.html

 僕も昔、ガーネットに渥美さんの俳句を紹介したことがありますが、どれも独特の味わいがあっておもしろい。五七五の定型によらない、いわゆる自由律俳句が多く、また定型のものよりそちらの方がおもしろい。渥美さんは尾崎放哉が好きだったそうなので、その影響があるんでしょうね。
 以下に好きな句を紹介します。

  赤とんぼじっとしたまま明日どうする
  村の子がくれた林檎ひとつ旅いそぐ
  お遍路が一列に行く虹の中
  雲のゆく萩のこぼれて道祖神
  どんぐりのポトリと落ちて帰るかな
  いつも何か探しているよだなひばり
  そば食らう歯のない婆(ひと)や夜の駅
  ベースボール遠く見ている野菊かな

 これらの句はまさに「男はつらいよ」の車寅次郎を彷彿とさせる。

  朝寝して寝返りうてば昼寝かな
  いわせれば文句ありそなせんべい布団

 この2句も寅さんの顔がうかぶようなユーモアに満ちている。

  やはらかく浴衣着る女のび熱かな
  うつり香の浴衣まるめてそのままに

 渥美さんの句には珍しい色気を感じさせる句。

  子に先立たれカンナ咲く
  年賀だけでしのぶちいママのいる場末
  乱歩讀む窓のガラスに蝸牛
  月ふんで三番目まで歌う帰り道
  少年の日に帰りたき初蛍
  雨蛙木々の涙を仰ぎ見る
  冬の蚊もふと愛おしく長く病み
  テレビ消しひとりだった大みそか

 これらの句からは渥美さんの心の中のさみしさが伝わってくる。

  いま暗殺されて鍋だけくつくつ
  台所誰もいなくて浅蜊泣く
  ひばり突き刺さるように麦のなか

 これらはかなりシュール。こんな句も詠んでいたのかと驚かされる。

  蓑虫こともなげにいきてるふう
  げじげじにもあるうぬぼれ生きること

 この2句からは渥美さんの生き方が伝わってくる。

 そして番組の最後は次の句で締めくくられる。

  蟹悪さしたように生き

 平成8年8月4日没。しかし報道発表されたのは3日後の8月7日。自分の死は3日間伏せ、その間に近親者だけで葬儀を済ませるようにとの遺言だったという。「蟹悪さしたように生き」と映し出された画面を見ながら涙があふれてきた。

posted by 高階杞一 at 13:23| Comment(0) | 日記