2017年09月01日

空とぶキリン社・新詩集 岩崎恭子『ひばりの声が聴こえない』

 空とぶキリン社の19冊目の詩集ができあがってきました。20代から30年近く書きためてきた詩をまとめた作者の第1詩集。以前出した『だんご虫のゆめ』の作者・岩崎淳志くん(当時小学6年生)のお母さまでもあります。繊細な心の襞を描いた17篇を収録。詳細はまた後日記します。とりあえず表題作を御一読ください。

      ひばりの声が聴こえない
  
  感情を失った手足が
  冷えた大地に転がっている
  まとわりつく霧の粒子
  カタカタと細かに震えながら谷底に
  落ちてゆく声
  ひばりの声が聴こえない五月
  空の高さが分からない
  
  世界の端っこに咲く花
  突き上げられた一本の腕が
  風に揺らされ
  微笑んでいる
  その瞳の奥に張りついた記憶は
  誰の記憶か
  
  ひばりの声が聴こえない五月
  谷底で見失った声をわたしは拾いあつめる
  こぼれ落ちる涙
  指先で光っている

「ひばりの声が聴こえない」表紙 (538x800).jpg

posted by 高階杞一 at 12:32| Comment(0) | 空とぶキリン社
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